プロフィール

フォトアルバム

世界的に有名な写真家「ロバート・キャパ」の著書「ちょっとピンボケ」にあやかり、ちょっとどころか随分ピント外れな人生を送る不惑の田舎人「えるまりぃと」が綴る雑記帳。中の人は大学まで行って学んだ「銀塩写真」が風前の灯になりつつある現在、それでも学んだことを生かしつつカメラ屋勤務中。

本家

For M4/3 with Mount Adapter Feed

Leica Summar L 50/2 Solid

 バルナックライカ用標準レンズSummarは、当時ライバルであったContaxの標準ハイスピードレンズ「ゾナー」に対抗して、ライツ社が開発した初期のハイスピードレンズです。
 Summarといえば、沈胴タイプが一般的ですが、初期製品の一部は沈胴機構を持たない固定鏡筒で、その独特な先太りのシルエットから日本では「ひょっとこズマール」というニックネームで呼ばれています。製造開始からほどなくして沈胴式へと変更されたために、製造本数が少ない固定鏡筒タイプは、最盛期には数十万円の高値で取引をされた事もあるコレクターズアイテムとなっているようです。
 半逆光~逆光では画面全体がフレアで覆われ、常にマイナス側に露出を補正してあげる必要がありますが、比較的優秀なシャープネスによって、画像が破綻してしまう事はありません。日陰に入れば誇張のないコントラストで、被写体の持つ質感をやさしさく伝えてくれます。M4/3フォーマットでの1:1撮影では100㎜相当と、丁度中望遠レン ズの画角となり、ポートレートにベストマッチするかもしれません。
 発達したコンピューターと整備された設計理論、そして優れたガラス素材や工作機械のなかった1930年代の製品に、最新レンズと比較できる物理特性は望む べくもありませんが、設計者のセンスと努力、そして試行錯誤によって生み出されたこのレンズには、ある種の畏敬の念を抱かずにはいられません。
 コレクターズアイテムとなっている固定鏡胴に比べ、多くが市場に溢れる沈胴式Summarで、ちょっとしたタイムスリップを安価に楽しむ。ライカレンズには時代を超えてなお、我々を惹きつける魅力が宿っているようです。

P1010930

2次大戦よりも前から存在していたことを考えると、手に取っただけで不思議な感覚を覚えます。このレンズは今までどれほど多くの映像を定着させてきたのでしょう。マルチコーティングなど存在しない時代のレンズですので、光源の位置には気を使いますが、時代を感じさせないシャープネスに関心します。

P1010937

ヌケの良い現代のレンズと比較すると、どことなく優しく、派手さを抑えた描写をします。古いレンズで撮影された映像は、それ自身がなぜかノスタルジーを感じさせるから不思議ですね。

P1010940

日陰で撮影すると、ご覧の通りかなり眠い写りになります。デジタル撮影ですので、仕上がり設定でコントラストを上げてしまえばそれまでですが、あえて無補正で。様々な古いレンズも気軽にアダプター撮影が出来るのはミラーレス機の特権ですが、さすがに固定鏡筒のズマールともなると、「おもちゃ」感覚という訳にはまいりませんね。

CONTAX Planar 85/1.4 AE-G

 フイルムカメラ時代のレンズを「オールドレンズ」と称して、マウントアダプターを介しデジタル一眼で撮影するスタイルは、ミラーレス登場初期から存在していましたが、フルサイズミラーレス一眼SONY-α7シリーズの登場でそのブームに一気に火が付きました。ミラーレス一眼はその構造上、レンズマウント面からセンサーまでの距離(フランジバック)が短く設計できるために、マウントアダプターを挿入する物理的余裕があり、登場当初からその撮影スタイルが存在していましたが、オリンパス・パナソニック陣営のM4/3フォーマットを始め、ミラーレス機は35ミリフイルムのフルサイズより小型のセンサーを採用した機種ばかりで、マスターレンズの画角を100パーセント利用できる環境はα7の登場までお預けだったからです。2018年後半になり、キヤノン・ニコン・パナソニックといったメーカーからも相次いでフルサイズデジタル一眼が発表になり、このアダプター撮影は一過性のブームではなく、今後は撮影ジャンルとして、確固たる地位を持つものとなるでしょう。

 そんな中で、最も脚光浴びている「オールドレンズ」の一つがヤシカ/コンタックス時代のZeiss製交換レンズです。フイルム時代から数々の名作や伝説を作ってきたそのレンズの描写を、ぜひともデジタルで楽しんでみたいというのは、多くのカメラマンの夢であることでしょう。事実、フイルムカメラボディーの中古相場がほぼ壊滅的状況となる現在も、一部のレンズにはフイルム時代と同じか場合によってはそれ以上の高値を付けるレンズが散見されるのです。本レンズも、フイルム時代から高い人気を誇り、京セラ・コンタックスがカメラ事業から撤退した現在でもZeissを代表する銘レンズとして、常に安定した相場で取引が続けられています。

 Planarといえば、そのレンズが持つ像面の平坦性と画面全体における画質の均一性から「平坦を意味するドイツ語Planを語源に持ち、長きに渡りローライフレックスやハッセルブラッドなどドイツを代表するカメラの標準レンズとしてその人気を不動のものとし、35ミリフイルムを使う日本製コンタックス一眼レフにおいても、「Planar」を使うためにボディーを購入するユーザーが存在するほどの看板レンズとなりました。とりわけ本85㎜は中望遠独特の緩い遠近感の圧縮、浅い被写界深度と適度なボケ量、被写体との絶妙な距離感といった物理的なレンズの特徴と、特有の合焦面の繊細な解像感と絹のベールを纏ったかのような解放付近の独特な描写、前後の溶けるような美しいボケ味から至高の「ポートレートレンズ」として、多くのカメラマンが愛用しました。

 長期に渡る製造のため、製造国・対応撮影モードの違いによって3種のバリエーションが存在する中で、最初期モデルをマウントアダプターを介し、M4/3フォーマットで170㎜相当の画角で試写しました。この括りはあまり好きではありませんが、時代を超えた「オールドレンズ」ならではのその特徴ある描写をご覧ください。

P1000048_2

実像感を残しながら、なだらかに溶けてゆく後ボケ。プラナー85の最大の特徴です。近代レンズのような切れ味はありませんが、合焦部の解像感も及第点です。

P1000092

撮影時は薄曇りでしたが、微妙な色彩の違いを綺麗に描き分けます。AEタイプのバージョンは絞りf2.8付近では羽の形状が風車状になり、条件によってはボケが乱れる原因になりますが、割り切ってその辺りの絞りを使わず、解放で撮影してしまえば問題ナシです。

P1000063

お手本のようなプラナーの玉ボケ。高解像度レンズではボケのエッジがもうすこし目立ってくるケースもありますが、絶妙なボケ具合です。

P1000068

前ボケは特徴的な滲みを伴う独特の美しいボケ。こんな冒険的な構図もその魔法でモノにしてくれます。余談ですが、85㎜f1.4は、初期のマニュアル露出・絞り優先AEに対応したドイツ製(通称AE-G)、のちプログラムAEなどのマルチモードAEに対応した(MM-G)、製造国を日本へ移した(MM-J)の3タイプ。絞り羽根の形状を改善したMMタイプ(最少絞りf16がグリーンに塗装)のドイツ製が市場では一番人気です。(ただし生産本数も多くはありません)

KIYOHARA VK50R 50/4.5SOFT

 マウントアダプターを併用することによって、古今東西・新旧のレンズを使用できるというマイクロ4/3マウントの利点は、初代Panasonic G1が登場した当初から注目されていました。もっとも、焦点距離から判断される画角は、35ミリフルサイズカメラのそれと比較しおよそ2倍となってしまうというデメリットも含んではいますが、それでも現像やフイルムに関わるコストがかからないデジタル撮影では「とりあえず撮ってみる」というスタンスが有効なため、おそらくはカメラメーカーがもくろんだ以上にカメラファンの間で日常化した感があります。

 事実、歴史上名を馳せた名レンズのマウントや最新AFレンズのマウントだけでなく、対応するレンズを探すのがかえって難しいようなマウントのアダプターまで登場し、アダプター市場は大変な賑わいを見せています。それに伴って、フィルムカメラの市場衰退から一時は底値をつけていたレンズに中古市場では思わぬ高値がつけられるような場合もあったりしますから、流行というのは本当におもしろいものです。

 ソフトレンズという特殊性から需要が限定的だった本レンズも、マウントアダプターによって再び人気を取り戻したレンズの一本となるでしょう。ライブビューにより、拡大画像で納得いくまでピント合わせに集中でき、絞り値によって大きく変化する描写もリアルタイムで把握しながら撮影が可能になるなど、フイルム時代では考えられないほどに使い勝手が向上し、100ミリ相当となる画角も本レンズの描写にマッチします。フイルムの撮影では、ソフト効果によってトーンが均一化され粒子が荒れたように感じてしまう事が多かったため、むしろ素粒子効果をねらって高感度フイルムで作品を作っていたのですが、デジタル撮影では粒状感のない美しいソフトフォーカスを堪能させてくれました。

 製造本数が決して多くは無いため、昨今の人気上昇に伴って中古相場が今より上がらないうちに、再び手元に置いておこうかと真剣に悩む一本となりました。

P1020352

ソフトレンズによる描写は、コントラストが下がってトーンがある程度均一化されるため、フイルムで撮影すると被写体によっては粒状感が目立ってしまいました。ところがデジタル画像ではその影響が無いため、よりシルキーな描写になります。50㎜レンズはマイクロフォーサーズのセンサーではフルサイズで100㎜相当の中望遠の画角になりますので、気になった部分を切り取るスナップレンズに好適です。

P1020354

モノクロ画像になると、艶っぽいといいましょうか、瑞々しいといいましょうか、独特の湿度を感じる画像になります。

P1020350

被写体は西日が当たり、かなりコントラストの高い状態でしたが、ソフトレンズの効果で軟調な仕上がりになりました。ピント合わせは相変わらず難しいですが、ファインダー像の拡大が簡単なEVFを利用すると、フイルム時代とは比較にならない簡便さに。絞り込んで画像が暗くなる条件でも、自動でゲインを上げてくれますので、明るいファインダー像を見ながら撮影できます。ミラーレスでのアダプター撮影はこんな部分にも恩恵があるのですね。

Sponsored link



  • デル株式会社

    HP Directplus -HP公式オンラインストア-

    FUJIFILMMALL(フジフイルムモール)

    Just MyShop(ジャストシステム)

    Just MyShop(ジャストシステム)



    ソフマップ・ドットコム

    デル株式会社

    ウイルスバスター公式トレンドマイクロ・オンラインショップ

    EIZOロゴ

    マウスコンピューター/G-Tune