プロフィール

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世界的に有名な写真家「ロバート・キャパ」の著書「ちょっとピンボケ」にあやかり、ちょっとどころか随分ピント外れな人生を送る不惑の田舎人「えるまりぃと」が綴る雑記帳。中の人は大学まで行って学んだ「銀塩写真」が風前の灯になりつつある現在、それでも学んだことを生かしつつカメラ屋勤務中。

本家

Leica DG Summilux 25/1.4 ASPH


 

 フイルムカメラ時代、とりわけズームレンズが廉売されるようになるまで、カメラ購入時にセット販売されていたのは、「標準」レンズの代表格であった解放f値1.4クラスの50㎜レンズでした。誰もがこの画角で写真をスタートする、それが当たり前の時代でした。

 しかし、固定された画角ではズームレンズの様にフレーミングを自在に操ることは難しく、また、同じ画角は標準ズームにも内包されていますから、廉売される高倍率ズームレンズが、「標準」レンズの座を確固たものにした現在では、この種のレンズの存在理由に気が付くには、それなりの経験を積む必要があるのでしょう。昨今、本レンズを初めとして、35ミリフルフレームでの50㎜レンズの画角を有する単焦点レンズが、一種の特殊レンズとしてのポジションを与えられてるのは、ある種、当たり前の流れなのかもしれません。

 では、そういった時代背景の中、なぜいまだに多くのメーカーがこの旧世代の「標準レンズ」を作り続けているのでしょうか。しかも最近では、過去には想像もできなかった高額商品をラインに加えるメーカーさえあります。その答えの一つは、何といってもその「明るさ」でしょう。ズームレンズ比で2~3絞り程度余裕のある解放値は、多くの場面でシャッター速度の束縛から表現者を解き放ってくれますし、解放付近での浅い被写界深度を利用すれば、ズームレンズでは到底真似ができない表現を手にすることができます。また解放での描写性能に拘りをもった製品が多く存在しているのも、近年では大きな特徴となっています。Panasonicが、マイクロフォーサーズシステムにおいて、25ミリというレンズにあえて「SUMMILUX」の名を冠したLeicaブランドのレンズをラインナップしているのも、そういった一種のメッセージなのでしょう。

 解放f値によって命名規則(規則と言い切るには例外も多いですが)のあるLeica製レンズにおいて「SUMMILUX」といえば、解放f値1.4を与えられた「至高のレンズ群」ですが、本レンズも、フイルム時代のそれと光学系は全く別の新設計ながら、そのエスプリを十分に引き継いだ、やはり「究極のレンズ」となりましょう。解放から中心部の解像度は高く、前後のボケは非常に自然で美しく、本レンズ最大の魅力です。周辺画質・光量はそれなりに落ち込みますが破綻はなく、「味」と言い切れる程度です。f2.8あたりから全画面で均質な高解像描写となり、f8程度がピークです。絞りによって描写それぞれの顔を持ち、色のノリもよく重厚な表現に向く本レンズは、やはり「標準レンズ」の枠に収まらないスペシャルな一本となるでしょう。

P1030220

碓氷峠にある鉄道文化村に展示・保存されている機関車の運転台です。車両倉庫内のため日中でも非常に暗い場所なのですが、f1.4の明るさで手持ち撮影可能なシャッター速度が稼げます。なるべく感度を上げたくない場合にはこの明るさは代えがたい武器になります。

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フルサイズ50㎜の画角であっても、25㎜の被写界深度。ボケすぎないというM4/3の利点を生かした撮影スタイルは街中のスナップに好適です。

P1020762

合焦部からなだらかに続く後ボケが非常に美しいひとコマ。解像感とボケのバランスが良く、人物撮影などにもきっとマッチします。ボケの発生が急激すぎて、解放絞りが使いにくいレンズなどもありますが、M4/3のSUMMILUXは心配無用です。

P9261407

少し絞ってあげれば、25㎜というレンズはパンフォーカス撮影も可能です。(よく言われるのが、「28㎜レンズ」「f8」「3メートルにピント」)手前の草から遠景の雲まで、きっちり解像。フルサイズでは広角レンズの専売特許でしたが、標準画角でも簡単にパンフォーカスが体験できるのは小型センサー機の強みではないでしょうか。歪曲収差も少ないので直線的な被写体も大胆にフレーミングできます。

P1010078

前ボケも素直で美しいので、積極的に利用できます。前後のボケはどちらかを重視すると、もう一方が汚くなりがちなのですが、本レンズは前後のボケがとても均質で美しく、その点でも1.4と言う絞りを存分に堪能できます。

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現代的と言えばそれまでですが、発色も美しく、とてもクリアです。フイルム時代のズミルックスは、やや癖のある描写が「味」として取り上げられましたが、新時代のズミルックスは癖や曖昧さのない端正な画を作ります。ナノサーフェースコーティングも有効に働き、ゴーストやフレアーに悩まされることは無いでしょう。

P1000393

遠景の枝。ボケが乱れるレンズだと、途端に汚く感じる被写体ですが、本レンズでは心配無用でした。

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思いっきり露出を切り詰めたローキー調の撮影。モニターではなかなか伝わりませんが、シャドーの中のシャドーもきっちり描いてくれます。ミラーレスに撮影機材の主軸を移した最大の理由が、モノクロを見ながらモノクロを撮影できる事。機材の変化が撮影スタイルを大きく変えました。

バレンタインデーなにがし。

オリンパスさんから、嬉しいバレンタインのお知らせ。

E-M1 ファームウェアアップデートサービス再開のお知らせ(Ver.4.6)

Ver.4.5で長秒時露光の不具合があった新ファームの更新が思ったより早くはじまりました。

オリンパスさん素早い対応、ありがとうございます。

これで、初代E-M1も、あと3年は戦えそうです。(苦笑)

CONTAX Planar 85/1.4 AE-G

 フイルムカメラ時代のレンズを「オールドレンズ」と称して、マウントアダプターを介しデジタル一眼で撮影するスタイルは、ミラーレス登場初期から存在していましたが、フルサイズミラーレス一眼SONY-α7シリーズの登場でそのブームに一気に火が付きました。ミラーレス一眼はその構造上、レンズマウント面からセンサーまでの距離(フランジバック)が短く設計できるために、マウントアダプターを挿入する物理的余裕があり、登場当初からその撮影スタイルが存在していましたが、オリンパス・パナソニック陣営のM4/3フォーマットを始め、ミラーレス機は35ミリフイルムのフルサイズより小型のセンサーを採用した機種ばかりで、マスターレンズの画角を100パーセント利用できる環境はα7の登場までお預けだったからです。2018年後半になり、キヤノン・ニコン・パナソニックといったメーカーからも相次いでフルサイズデジタル一眼が発表になり、このアダプター撮影は一過性のブームではなく、今後は撮影ジャンルとして、確固たる地位を持つものとなるでしょう。

 そんな中で、最も脚光浴びている「オールドレンズ」の一つがヤシカ/コンタックス時代のZeiss製交換レンズです。フイルム時代から数々の名作や伝説を作ってきたそのレンズの描写を、ぜひともデジタルで楽しんでみたいというのは、多くのカメラマンの夢であることでしょう。事実、フイルムカメラボディーの中古相場がほぼ壊滅的状況となる現在も、一部のレンズにはフイルム時代と同じか場合によってはそれ以上の高値を付けるレンズが散見されるのです。本レンズも、フイルム時代から高い人気を誇り、京セラ・コンタックスがカメラ事業から撤退した現在でもZeissを代表する銘レンズとして、常に安定した相場で取引が続けられています。

 Planarといえば、そのレンズが持つ像面の平坦性と画面全体における画質の均一性から「平坦を意味するドイツ語Planを語源に持ち、長きに渡りローライフレックスやハッセルブラッドなどドイツを代表するカメラの標準レンズとしてその人気を不動のものとし、35ミリフイルムを使う日本製コンタックス一眼レフにおいても、「Planar」を使うためにボディーを購入するユーザーが存在するほどの看板レンズとなりました。とりわけ本85㎜は中望遠独特の緩い遠近感の圧縮、浅い被写界深度と適度なボケ量、被写体との絶妙な距離感といった物理的なレンズの特徴と、特有の合焦面の繊細な解像感と絹のベールを纏ったかのような解放付近の独特な描写、前後の溶けるような美しいボケ味から至高の「ポートレートレンズ」として、多くのカメラマンが愛用しました。

 長期に渡る製造のため、製造国・対応撮影モードの違いによって3種のバリエーションが存在する中で、最初期モデルをマウントアダプターを介し、M4/3フォーマットで170㎜相当の画角で試写しました。この括りはあまり好きではありませんが、時代を超えた「オールドレンズ」ならではのその特徴ある描写をご覧ください。

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実像感を残しながら、なだらかに溶けてゆく後ボケ。プラナー85の最大の特徴です。近代レンズのような切れ味はありませんが、合焦部の解像感も及第点です。

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撮影時は薄曇りでしたが、微妙な色彩の違いを綺麗に描き分けます。AEタイプのバージョンは絞りf2.8付近では羽の形状が風車状になり、条件によってはボケが乱れる原因になりますが、割り切ってその辺りの絞りを使わず、解放で撮影してしまえば問題ナシです。

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お手本のようなプラナーの玉ボケ。高解像度レンズではボケのエッジがもうすこし目立ってくるケースもありますが、絶妙なボケ具合です。

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前ボケは特徴的な滲みを伴う独特の美しいボケ。こんな冒険的な構図もその魔法でモノにしてくれます。余談ですが、85㎜f1.4は、初期のマニュアル露出・絞り優先AEに対応したドイツ製(通称AE-G)、のちプログラムAEなどのマルチモードAEに対応した(MM-G)、製造国を日本へ移した(MM-J)の3タイプ。絞り羽根の形状を改善したMMタイプ(最少絞りf16がグリーンに塗装)のドイツ製が市場では一番人気です。(ただし生産本数も多くはありません)

ファームウェアと畳

ドライバとか、ファームウェアの類の更新、皆さんどうしてますか?

OSとかアンチウイルスソフトの定義ファイルなどは、もちろん最新にしておいた方が、新種のウイルスソフトやマルウエアなんかに対しての防衛という観点からして、それが正解なのでしょうが、実際問題、Windows10とiTunesのアップデートは、過去に何度かアップデート後の不具合に見舞われ、対策・復旧に半日潰された記憶なんかもあるので、

「公開直後のアップデートはネットでの不具合報告をチェックしてから」

というのが、最近のスタイルになってます。

 

さてさてカメラのお話。

オリンパスからE-M1xなる、とんでもない新機種の発売に合わせ、無線で発光をコントロールするコマンダーが同時発表されました。

で、その無線のコマンダーに対応するべく、既存の機種向けに最新のファームが配られました。

何を隠そう、私め初代のE-M1のユーザーでして、この少しばかり古い機種にも、しっかりと最新ファームが配布されました。

おー。こんな古い機種もアップデートがあるなんて、オリンパスさんマジリスペクト!!

ってんで、さくっとアップデートいたしました。

まあ、そのコマンダー使うつもりもないんですけどね。。。

過去に、アップデートで反則とも言えるぐらいの機能強化をしているボディーでしたので、

「なんか、アップデートでまたスゲー良くなるかも」

というあらぬ期待をしてしまったのですが、

E-M1:Ver.4.5ファームウェアアップデート 一時中断のお知らせ

なんだが、不具合出たらしい(^^;;;;

「長秒時ノイズ低減機能が作動した際に誤動作する不具合」があるらしく、アップデートしちゃった場合にはメニューでOFFが推奨されてます。

ファームアップは、タイムリープ効かないので改ファームでるまで静観ですねー。。。

 

勝手な憶測なんですが、高感度と長秒時でのノイズが弱点なE-M1初代だったので、もしかしてその部分にもこっそり手が入ってたりして―。だったら嬉しいな・・・・・と。

新しければイイってものでもないんですね。

追記:2月14日に修正された新ファームが公開されました。

E-M1 ファームウェアアップデートサービス再開のお知らせ(Ver.4.6)

最新機種欲しいけど、しばらくは買えそうにないなぁ。

Carl Zeiss Distagon 35mm f2 ZF.2

 写真の世界においては、「標準レンズ」という言葉に含まれる「標準」は絶対的な指標にならず、とても「曖昧」だと言えます。野鳥や飛行機などを撮影する事の多いカメラマンからすれば、300mmクラスかそれ以上の焦点距離を持つレンズが「標準」となるでしょうし、オーロラなどをメインの被写体とする場合は、20mm以下の超広角レンズや180度以上の画角を持つ魚眼レンズが「標準」だとするフォトグラファーもいるでしょう。現在では28-300mmなどといった高倍率のズームレンズで写真を始める方も少なくないでしょうし、そうなると、「標準」を考える事にはすでに意味は無いのかもしれません。

 諸説はありますが、35ミリサイズのフイルムを利用し最初に成功を収めた「ライカ」に最初に取り付けられていた焦点距離50mmのレンズは、画角・被写体との距離も扱いやすく、その描写に遠近感の誇張・圧縮が少なく、写真特有の癖が出にくい点、さらに当時の技術でも比較的明るい解放f値を持った製品を開発し易かった事などもあり、その後も多くの製品に採用され、長きに渡って50mmは一般的「標準レンズ」として君臨しました。私自身も写真に興味を持った幼少期、父から渡されたニコンには50mmが取り付けてあり、それを「標準」として写真人生をスタートさせました。

 写真を学ぶ大学に入り課題をこなしながら、手持ちに幾つかのレンズが揃うようになった頃、目的を持たずに出かける際にカメラに付いているのは50mmではなく、35mmのレンズであることに気が付きました。少しだけ広い画角、少しだけ強調されるパース、少しだけ広い被写界深度。これらが自分の好む被写体や撮影スタイルにマッチしたのでしょう。以来、新しいカメラのシステムを考える時には、必ず35ミリフルサイズにおける35mmの画角を起点として考えるようになったのです。

 そして、Nikon Dfの購入に至った際、標準レンズの候補として真っ先に思い立ったのが本レンズだったのです。純正品にも35mmは存在していましたが、最新のNikkorはプラスチック感の目立つ外装とマニュアルフォーカス時の操作感がどうしてもなじめず、なによりZeissのレンズを絶対的に信頼していたこともあり、Nikonフルサイズシステムの「標準レンズ」として本レンズを購入しました。非球面レンズや贅沢な光学系を惜しみなく投入した解放f1.4のDistagonも存在するZeissの35mmですが、解放f2の本レンズは比較的に小型で取り回ししやすく、フィルター径も58mmと、小型の部類に入ります。マニュアル専用設計のため、抜群のヘリコイドの操作感が余裕をもたせた回転角も手伝って、非常に気持ちの良いピント合わせが行えます。写真を撮らない時には、このヘリコイドを肴に一杯やってもいいと思うほどです。

 近代のレンズらしく解像感が非常に高く、発色も非常にクリアで心地よく、いかなる条件でも破綻をみせないその描写はまさに「標準」に相応しく、自分の視覚の延長として思うがままに被写体を切り取ります。そして何よりZeissらしさをのぞかせるのが、美しく残された収差が見せる魔法の解放描写です。ヨーロッパに起源をもつレンズではよく引き合いに出される「空気が写る」という表現。無色透明ではあっても、被写体との間に確かに存在するその物体を、瑞々しく記録するドイツのエスプリは、日本製造となった最新のレンズにも確かに残っているのでしょう。すでに最新ラインのMilvusシリーズへとバトンを渡してはいますが、外装デザインをどうにも好きになれない自分は、やはりこの世代のZeissを使い続けていくのでしょう。

 

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自転車を模した金属製のカゴに盛られたジャックオーランタン。解放では浅くなる被写界深度ですが、35㎜ということもあり、被写体の形はしっかり残ります。微妙な周辺光量の落ち方が合焦部へ視点を運んでくれます。この独特の空気感が何ともいえない味だと思いませんか?

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この、すこし出始める「パース」が35mmが好きな理由。「写真」っぽさって大事だと思います。

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西日に照らされた壁面のオブジェ。空気感・立体感・透明感。少し絞ってあげると、欠点という欠点がなくなる優秀なレンズ。撮り手の実力が嫌でも試されますね。

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天候が悪くても、非常にクリアな発色。傷んだ塗装の表面質感も非常に良く描写されます。f値も明るめなので、薄暗い状況でも高ISOに頼らずに済むのが単焦点レンズの強みですよね。

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モノクロに変換しても被写体の質感は見事に再現。銀塩フイルム・印画紙で撮影する機会はほぼなくなってしまいましたが、暗室作業には今でも思い入れがありますね。

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露出をすこし切り詰めるとZeissの本領発揮です。鳥居の円柱の質感、上々です。朱の発色も効いてます。


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マクロ域での質感描写も見事です。ボケも美しく、適度に被写体の情報を残してくれる。この辺が35mmを使う醍醐味ではないでしょうか。

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夕刻、かなり強めの西日が差し込む列車の側面。とても階調が豊富で、ハイライトからシャドーまでしっかり写しこんでくれます。

Dsc_0742

一見、モノクロの画像処理かと見まがう被写体。保護シートを掛けられたディーゼル機関車です。金属の車体・アルミシート・ビニール製の虎縄。素材の違いが手に取るように分かります。絞り込んだ本レンズの描写には一切の曖昧さがありませんね。

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