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世界的に有名な写真家「ロバート・キャパ」の著書「ちょっとピンボケ」にあやかり、ちょっとどころか随分ピント外れな人生を送る不惑の田舎人「えるまりぃと」が綴る雑記帳。中の人は大学まで行って学んだ「銀塩写真」が風前の灯になりつつある現在、それでも学んだことを生かしつつカメラ屋勤務中。

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2016年4月

SIGMA Art 60mm f2.8 DN

 

 一度抱いてしまったイメージを後から変えるのはなかなか難しいと、齢をそれなりに重ねてきた最近ではよく思います。SIGMAというメーカの製品に対しても、実はこのレンズに出会うまでの印象というのは、「ちょっと変わった焦点距離」「メーカ純正比較でちょっぴり明るいレンズ」「異様なまでに倍率の高いズームレンズ」「廉価な製品が多い」そして、「写りの質は・・・・」といった様なものでした。あくまで主観の占める割合が多いかと思いますが、フイルム時代から同社の製品を知っているカメラユーザーに、同様の印象を持たれる方は少なくないのではないか、とも思っています。

 しかし、純正品への拘りが強いいユーザーが多いカメラ市場において、サードパーティー製品が、カメラメーカー純正品と肩を並べて商売をするには製品に絶対的な特長を持たせる必要があり、そういった背景から「すこし無理をした(性能的・価格的・特徴的)製品」が多かったのは、仕方のないことだったのかもしれません。

 さて、ミラーレス一眼が登場し、古今東西のレンズがレンズマウント規格(主にフランジバック・バックフォーカス)という制約を受けずに利用できるようになった現在、過去に例をみないほど「レンズ」に注目が集まっています。併せて、イメージセンサーの高精細化が進むにつれ、レンズの描写性能もより高いものが望まれるようになっています。

 そして、それを意識してのことなのでしょうか、SIGMAから「Art」と呼ばれる製品群が登場しました。

曰く「圧倒的な光学性能の実現と芸術的表現の追求を同時に叶える」

とするこの製品群は、驚くことに、純正品にも存在するありふれた焦点距離や解放f値の製品が多く、さらに設定売価が純正品を超えているものも存在するなど、これまでのサードパーティー製品の概念を大きく覆すものとなっています。

 この60mmにしても、焦点距離こそなじみの少ないものですが、解放f値がf2.8と、あえて今単焦点レンズとして発売するにはあまりに平凡なスペックとなっています。しかし控え目な明るさがもたらすレンズの軽さはフットワークを損ねず画質的にも有利に働き、またAPS-Cサイズのセンサーを補う十分なイメージサークルは、マイクロフォーサーズサイズのセンサーではさらに中央部の極上な映像のみを切り取って利用できます。このよく写ることが当たり前のスペックを、あえてサードパーティーが販売するとは、これはこれでなんと挑戦的な姿勢でしょう。

 記録ではなく記憶に・・・・なんだか使い古された言葉かもしれませんが、スペックに現れない性能が、モニター上には確かに現れる。選択肢として「Art」シリーズは「アリ」なのか?と、不惑を迎えての新たな惑いを抱かずにはいられないのです。

 

P1000958

フルサイズ換算120㎜というと、Nikonがフイルムの時代に24-120㎜という標準ズームを製品化する以前は、あまり馴染みのない画角でした。現在ではM4/3のオリンパスにも同一焦点距離にマクロレンズが存在し、パナソニックからも12-60(換算24-120)のズームレンズがラインナップされます。この画角、慣れてくると少し離れた距離からのスナップに案外便利な画角ではないでしょうか?

P1000997

M4/3のレンズは、同一画角であるなら、大型センサー機のレンズと比較して最短撮影距離が短い傾向にありますので、本品も十分マクロレンズ的な使い方ができます。

P1000919

オートフォーカスの作動も機敏で、とても静かですので、音に敏感な我が家の飼い猫にも気づかれずに撮影ができました。ちなみに、AF駆動部のレンズエレメントはカメラ本体の電源が入っていないと、レンズを振った際、鏡筒内でコトコトと音を立てます。故障と勘違いして慌てるお客様もいらっしゃいますが、これは「仕様」なのでご安心を。ただし、面白がってむやみにレンズを振るのはお勧めしませんが。。。

P1010533

ボケ味は、実体感を残しながらもあまり硬くならずに良い感じです。合焦部の解像度も高く、シダ植物特有の髭のような部分もとても繊細に記録されています。

P1010685

APS-Cサイズにも対応するレンズですので、M4/3ではレンズのスイートスポットだけを使う贅沢な使用法になります。少し絞ると背景のボケがやや硬調なイメージですが、画面全体の先鋭度は素晴らしいの一言。

P1010573

圧縮効果の出始める焦点距離ですが、被写界深度に余裕のあるM4/3は極端に絞り込まずにこういった画をモノにできます。小型センサー機については「ボケない」と悪口のように言われる事もありますが、「ボケすぎない」事の利点をもっと宣伝してもいいのではないかと感じる今日この頃。

P1010034

高い解像感とボケの美しさが同居すると、自と立体的な映像になります。日陰ですが、近代的なレンズらしくコントラスト・発色も良いので、癖を感じない端正な映像を提供してくれます。

P1010778

歴史を重ねた植物は好みの被写体の一つ。被写体のもつ存在感をストレートに記録してくれるレンズはとても頼りになります。スペック表に現れない不思議な魅力を持ったこのレンズは、きっと素敵な懐刀になってくれます。

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