CONTAX Leica-M改造 Hologon 16mm f8
僅か3枚のガラスが作り出す焦点距離15ミリの超広角レンズHologonのオリジナル。
その圧倒的に広い画角を、皆無と言って良いほどの少ない歪曲収差で結像させるこのレンズはライカ用レンズとしては希なZeiss-Madeという素性の特異性と不明な製造本数、そしてその代え難い描写性能故、何時の頃からか「悪魔に魂を売りわたしてでも手にしたいレンズ・・・」と言う形容が付いて回るようになったと言います。
また、有名オークションや大規模な中古市場では必ずその目玉として出品され、常に数十万から時には百数十万円での取引が行われるコレクターズアイテムとしてもその名はあまりにも有名です。ですから、オリジナルに若干の設計変更を加え、CONTAX-Gマウント用超広角レンズとして本レンズが登場、さらに、比較的安価でのライカMマウントへの改造を引き受けるサービスが存在することは、いったい何人のフォトグラファーの魂を救ったことになるのでしょうか?
特異な光学系のため絞り機構を組み込めず、さらに画面に均一な露光を与えるためには専用のグラデーションフィルターを取り付ける必要があり、また距離計には連動しないため目測でのピント調節が必要となるなど、使用方法にも非常に制約が多いレンズではありますが、広角レンズ中、肩を並べる者のない歪曲収差の少なさと、強烈なパースペクティブの誇張、少ない構成枚数がもたらすクリア且つ素晴らしい発色の映像は、見る物を摩訶不思議な世界へと誘います。
噂通りの魔性のレンズ、このHologonの魔法にかかったら、魂とは言わなくてもボーナスの一回分くらいは覚悟した方が良いのかもしれません・・・。
電柱の真下から撮影しました。歪曲の少なさが分かる一枚。周辺光量が極端に落ちる設計の為、中央部とのバランスをとる目的でセンターNDフィルターが付属するのですが、「らしさ」を強調するため、あえて未使用で。
日没の瞬間。撮影当時住んでいたアパートから撮影しました。真冬の澄んだ空気感を漆黒へと変化して行く空のグラデーションが見事に描き出します。撮影時は外付けの専用ファインダーで画角をチェックするだけですので、現像が上がるまで結果は分からないのですが、想像以上の仕上がりになりました。
こちらも調整用のNDフィルターは未使用です。このくらいドスンと四隅が落ちてくれると、これはこれで素的な個性となりますね。オリジナルのHOLOGON ULTRA WIDEはいったいどんな写りをするんでしょうか。ちょっと危険な好奇心が湧いてきました。
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