« 2011年1月 | メイン | 2011年4月 »

2011年3月

2011年3月13日 (日)

ご報告

今回の震災における、被災地の方々に心から御見舞を申し上げ、また行方不明の方や救護が必要な方への一刻も早い救援・救助の手が差し伸べられますことを、そして現地の復興を心よりお祈り申し上げます。

当方も、地震の被害が比較的少ない本州内陸にありながら震度5強という未体験の地震に直面し、震源に近い場所に住まわれていた方たちが、いったいどんな恐怖を味わったかと想像すると、大変に心が痛みます。

このブログに関しまして、ここしばらくの更新を停止させていただくことをご報告させていただくとともに、右下Linkより、旧HP時代から利用しておりました掲示板へのリンクを張らせていただきました。このブログ及び旧HPをご利用いただいた方々(とりわけ、同窓の皆様)の情報伝達の場としてご利用いただければと思います。

取り急ぎ、ご報告まで。

2011年3月 2日 (水)

KIYOHARA VK50R 50/4.5SOFT

 黎明期の写真レンズや海外製のレンズには、設計者自身の名前や設計者自身が与えた特定の名前を冠するレンズが多く存在しています。

 一方、世界屈指の光学製品の製造国である日本製のレンズには、メーカーやブランド、あるいは型式を冠してはいるものの、レンズ固有の名前を与えられている製品は決して多くはありません。これが、「察し」と「思いやり」、そして人の半歩後を歩む「奥ゆかしさ」を美徳としてきた国民性の表れの一つなのかどうかは憶測の域を出ませんが、非常に興味深い事実と言えます。

 そんな日本製レンズの中にあって、設計者の名前を与えらた数少ないレンズの一つが、このKIYOHARA VK50Rです。名称だけではなく、その描写の特異性も相当なもので、製造を中止した現在ではなかなかのレアアイテムとなっています。ルーツはコダック社のスプリングカメラ「ベスト・ポケット・コダック」に搭載されていたレンズ(通称:ベス単<ベスト・ポケット・コダック搭載の単玉レンズ>)と言われ、そのフードを外したときに得られる独特のソフトフォーカス描写の熱狂的なファンが多かったことから、清原光学において1群2枚の張り合わせレンズを用いた一眼レフ用交換レンズとして登場したのが、VK70Rというソフトレンズでした。そして、より短焦点なレンズへの要望が高まり発売されたのが、この焦点距離50ミリのソフトレンズです。

 主に残存する球面収差を利用し、絞りによってソフトの量を変化させる設計の為、ソフト量の多い解放付近ではピントの山が無く、ソフト量を控えるため絞り込んだ状態では暗くなったファインダー像で、これまたピント合わせに苦労するという、ピント合わせに非常に難儀するレンズでした。しかしながら段階露出ならぬ段階ピントを多用して、ようやく得られる摩訶不思議な画像はなかなかに情緒的で、特に高感度フイルムの併用で得られる粒子感の際立った画像は、他レンズやフィルターを使ったソフト描写では得難い物がありました。単玉故にゴーストの発生は少なく、逆光でもシャドーの引き締まった画を提供してくれました。

 「性能」という観点でのレビューは難しいレンズではありますが、私個人の大学卒業の大きな力となってくれたこの一本に敬意を表して、ここで紹介させていただきたいと思います。

Img001

Img002_2

Img005_2

Img003